2021年05月01日

ステイホーム中、雑貨屋さんで見つけたお絵描きキットを買ってきて、描き始めた2020年。

うまく描ける気は1ミリも無くて、私はただ、没頭する時間の相棒を探していたのかもしれません。

日々の仕事を遮断されたら、私は一体何をするのだろう。考えてみたこともなかったあの頃。

仕事のステータスが私の全てで、仕事が趣味で、仕事が最優先だったあの頃は、自分というものがありませんでした。特に、表に出る仕事をしていた私は、一商品として、様々にニーズにこたえられる自分で在ることで、人生というものを形どっていました。今思えば、有難いご縁の巡り合わせに乗じながらも、本当に苦しかった28年でした。

画に出逢ってからは、工程で様々な経緯が生じて、そのたびに、人生で経験した色々な感情や人生の節での考察が頭を過ぎり、描きながらまるで走馬灯のように人生のお浚いが始まったのでした。この時間がある限り、もう私は独りじゃない。私と私の魂が契りを結んだ瞬間がおとずれたのでした。